パンフレット制作事例

フライングキャットの佐藤です。

今回は半年程の時間をかけて、美容師を目指す高校生に向けて制作した横浜理容美容専門学校様のパンフレットを振り返りながら、私が普段どの様にデザインと向き合っているかをお伝えしていきたいと思います。

制作してから時間もたち、現在このパンフレットを見ている学生はいないので、これから私が出会うかもしれない人にとって僅かでも参考になればと思い、考えをまとめてみました。

A4仕上がり 全32ページ 横浜理容美容専門学校様パンフレット
表紙に光沢PP加工
表紙・本文共に用紙はマットコート180kg(艶なしで厚手の紙)

横浜理容美容専門学校パンフレット表紙

表紙
真っ黒な背景に、蛍光緑で学校名を英語表記。
制作開始は2018年の5月頃でしたので、これから迎えるオリンピックイヤーの2020年に向けて、『全てを削ぎ落として本質を際立たせる』そんな表紙になりました。2020の最後の〇は2020年になって閉じられるという気持ちで、2018年の時点では現在進行形という意味で円環が閉じる前の形を表現しました。

横浜理容美容専門学校パンフレット2-3P
2-3ページ
表紙を開いて最初のページ。
学校がインスタを始めたばかりの頃で、インスタ風に正方形で切り取った写真のレイアウトで構成しています。ここで表現したかったことは一言「FOLLOW ソレダケデイイノ?」

右ページは写真が足りなくて余白になっている・・訳ではなく、これから横理美を目指す学生へ向けて「次はあなたの番です」の意味合いでスペースを取ってあります。

横浜理容美容専門学校パンフレット4-5P

4-5ページ
自他共に認める横理美のエースT君の写真に一言「UNFOLLOW 我が道を行け」
右ページの目次は全て英語表記。各タイトル一文字ずつ赤文字になっていて赤文字を縦読みするとYOU LIKE IT。目次背景は、金髪をイメージした印刷出来るギリギリの繊細な線画になっています。

横浜理容美容専門学校パンフレット6-7P

6-7ページ
Why から始まる在校生へのQ&Aページ。
質問を囲む黒い図形は三角形から始まって、四角、五角、六角、七角、円と順に角がとれて洗練された丸(球)になっていきます。

生徒写真を選択する際は、影のかっこいい写真を選びました。
何故かというと、写真の影を未来の象徴と捉えていたからです。今回左綴じのパンフレットで左ページから右ページへと進行して行く為、時間軸は左が過去、右が未来と考えました。その為写真では右にある影を未来の象徴と考え、影が美しい写真にしたかったのです。

横浜理容美容専門学校パンフレット8-9P

8-9ページ
Why YOKORIBI? に対して ALL in YOKORIBI(全てが横理美にある)で始まるページ。
生徒の服の色合いもあるのですが、「全てが横理美にある」というタイトルにした手前、前ページより落ち着いたイメージでかつ個性のある写真を選びました。右ページ下部のK君が小さくなっているのは当初前ページに不思議の国のアリスに出てくる3月ウサギや、トランプのハートのクイーンのイラストなどを入れて、アリスと同じ毒を飲んでK君が小さくなっているという設定だったのですが、制作後半でイラストの使用が不可となり、小さくなっている根拠が消滅してしまいました。K君はパンフレット内の質問でも答えてくれているのですが、入学当初より就職したいサロンが決まっていて、現在その夢を実現しLIPPS hair 銀座で活躍されています。

横浜理容美容専門学校パンフレット10-11P

10-11ページ
校内施設紹介ページ。
背景の線画は素粒子衝突実験で素粒子が衝突後に動いた軌跡を表したものです。泡箱実験というものらしいです。飛行機雲の様に移動した軌跡が目に見えるようになるとの事。次の12-13ページも校内紹介ページで同じ様なページが続くのは面白くないと思い、素粒子の軌跡に合わせて写真をレイアウトしてみました。気持ちとしてはジャズセッションの様に、軌跡に寄り添いつつ反発もしながら写真をレイアウトしています。少しの偶然性と必然を取り入れたい気持ちもありました。

横浜理容美容専門学校パンフレット12-13P

12-13ページ
前ページに写真にとっては少し邪魔であった素粒子の軌跡を背景に入れた効果で、ページをめくった際に黒の背景が際だってスッキリと見えます。

横浜理容美容専門学校パンフレット14-15P

14-15ページ
前ページから打って変わって白ベースのページ。右ページ上の写真は『2001年宇宙の旅』を少し意識して撮影したとの事。物語後半画面が白っぽくなっていく感じと思いました。デザイン案のプレゼン後に学校の理事長先生に教えていただきました。キューブリック作品に例えるならば、左ページは『シャイニング』のローアングルカメラで徐々に被写体に迫っていく感じかもしれません。白と黒を美しく見せたかったので、紙の透けが少しも出ない様に、通常よりも用紙を厚くする事にしました。

横浜理容美容専門学校パンフレット16-17P

16-17ページ
入学後の2年間  入学から就職までの流れを図式化しました。
卒業後は多様な道が開かれている様子を、桜の影が変化し、枝分かれした道となっている図で表現しました。空には飛行機雲が・・(飛行機雲はデザイン的にはメタファー(隠喩)として、10ページ素粒子の泡箱実験と繋がっています)

横浜理容美容専門学校パンフレット18-19P

18-19ページ
左ページの写真は、フィルムカメラ時代のカラーポジのイメージになっています。

横浜理容美容専門学校パンフレット20-21P

20-21ページ
理事長先生の想いを伝えるページ。「理事長先生の頭の中は美容で溢れている」それをタイポグラフィでイメージ化しました。『BEAUTY』はアナグラムになっていて、BE U (自分らしくあれ)AT Y (横理美で)と見せたくて、Aが90度回転しています。シドニィ・シェルダンばりの超訳であるため、学校のプレゼンでも言えずじまいでしたが・・(恐らく超訳も昭和生まれの方にしか通じないですね・・)

パッと見気づかれないと思いますが、BEAUTYの背景の斜線がないと文字が判別出来なくなります。白地に白文字なので、本当に必要最小限の要素のみで構成されています。

横浜理容美容専門学校パンフレット22-23P

22-23ページ
ヘアスタイリストとして生き抜くための実践授業 part 1
右ページの写真を際立たせる為の余白に全神経を注ぎました。

横浜理容美容専門学校パンフレット24-25P

24-25ページ
ヘアスタイリストとして生き抜くための実践授業 part 2
右下写真の彼はエースとしての資質がありながらも、学校内での立ち位置を見極めてムードメーカーになった様に思えました。写真撮影時には周囲を盛り上げて和やかな雰囲気にしてくれました。3ページや6ページの眼鏡をかけた写真が少し演じている彼とすると、このページのポートレートは本来の彼の素直な感じが滲み出た良い写真と思います。

横浜理容美容専門学校パンフレット26-27P

26-27ページ
クラブチッタ川崎で行われた生徒が演出するヘアショーの紹介ページ。
現場で見た雰囲気や感じた興奮が伝わると良いなと思いながらデザインしました。

横浜理容美容専門学校パンフレット28-29P

28-19ページ
海外研修の紹介ページ。
「美容師の魅力のひとつは、技術を身につければ世界のどこへ行っても活躍できる」という言葉と、海外の街並みや雰囲気が伝わる写真を散りばめる事で、最初から海外を視野に入れたそんな高校生がひとりでも多く出てきたら嬉しいなぁと思いながら作りました。右下イラストの上空には17ページで飛行機雲を作っていた飛行機が海外まで飛んできた設定。オーロラの様に見える空は花を合成していて、花の様に見える美しい空を演出しました。制作時には花言葉にもこだわって花を選んだ覚えがあるのですが、今となっては何の花かも花言葉も忘れてしまいました・・

横浜理容美容専門学校パンフレット30-31P

30-31ページ
先生方の紹介ページ。
昨年のバッチリ決まった衣装で格好良くまとまった写真ではなく、もっと情熱的な・・その様な要望から赤背景に白抜き文字で先生方の想いをのせたページ。少しうるっとくる程、先生方の文章が良くて、迷っていた高校生も一度オープンキャンパスに行ってみるかと行動を起こしてもらえる様な、クロージングに相応しいページになったと思っています。

パンフレット内の写真について
2ページから27ページまでの生徒写真は、フォトグラファーの羽田哲也さんに撮影していただきました。
羽田さんの写真のおかげで良いパンフレットに仕上がりました。本当にありがとうございました。

当然の事ではありますが、どの仕事に対しても心を込めて制作にあたります。誰かの心に残るものがひとつでも多く作り出せたら、こんなに幸せなことはありません。

お問い合わせはこちら

スマホでAR(拡張現実)

今回は「スマホでAR/お客様との距離を縮める」です。

言葉で説明する前に、10秒程の動画を見ていただくのが一番伝わるかと思います。
名刺の裏に印刷したマーカーに現れる3Dを動かしてみたサンプル動画です。

スマホでARを見てもらう為に、お客様にしていただく事は・・

1. 名刺の裏等にQRコードとARマーカーを印刷する(もちろんパンフレット・封筒等でも可能です)
2. スマホでQRコードを読み取っていただく
3. スマホでARマーカーを読み取っていただく(QRコードをマーカーにする事もできます)

たったこれだけの事で、スマホ上に現実空間と3D動画が融合したAR(拡張現実)を作り出す事が可能になります。新規にアプリをダウンロードしていただく必要もございません。

マーカーがスイッチの役目をしていますので、スマホ画面内にマーカーが収まっている時のみ3D動画が再生されます。スマホ画面をドラッグすることで、3Dを360度あらゆる方向から見ることが可能になります。

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似顔絵イラストや御社製品を3D化したAR名刺はいかがでしょうか?
御社の製品やサービスを、お客様により身近に感じていただけるのではないかと思います。

ご興味がございましたら、お気軽にお問合せください。お問合せフォームはこちらです。

新聞広告(白黒のデザイン)

2017年の4月から毎月、仏具を扱う『日本堂』さんの新聞広告を作っています。
最初に店頭に貼るポスター用のカラー版を作り、全ての内容を確認してもらった後、新聞広告用の白黒デザインにとりかかっています。
カラーの広告を白黒にするというと、モノクロコピーの様なイメージかもしれません。
ただその様な単純モノクロ変換したものですと、グレーの中間色がのっぺりとした、広告としてはメリハリのない仕上がりになってしまう為、出来る限り白と黒のコントラストがハッキリとする様にデザインや配色を調整して新聞広告として仕上げています。

例えば、仏壇の特徴示す記号部分では、黒の輪郭線をつけてメリハリをつけています。

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白黒写真の部分は、読売新聞と朝日新聞で紙が異なり、印刷の仕上がりも微妙に変わってくる為、写真の明るさを読売新聞と朝日新聞で少し変えています。

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新聞には毎日沢山の白黒広告が掲載されていますが、今まで全く意識した事なかったけど、よく見ると確かにみんな良く出来ているなぁ〜という様な気づきがあったとしたら嬉しいです。

パッケージデザイン

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健康食品のパッケージです。

パッケージ等の仕上がりが立体になる物は、作っていく過程で何度も展開図をカッターでカットして、両面テープで貼り付けて、組み立てて見本を作るのですが、それが結構楽しくて好きです。

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パッケージが終わった後は、宣伝用のポスターやPOPを制作します。商品が沢山売れて、継続的に仕事をいただける事が一番嬉しいので。
パッケージやラベルの制作、その後の宣伝・販売戦略等で、弊社がお役に立てる事がございましたら、是非宜しくお願い致します。

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アリスワンワンビューティー

今回は日頃お世話になっている「アリスワンワンビューティー」さんを紹介させていただきます。

 「アリスワンワンビューティー」さんは横浜市港北区大曽根にある “ 犬猫美容室 ” です。「アリス動物病院」と同じ建物内にあり、トリミングの時に健康診断やワクチン接種を頼む事も出来ます。動物の美容と健康をまとめて面倒みてくれる、とても素敵なお店です。院長先生をはじめスタッフの方達は、人にも動物にも優しく接してくれますので、近くにお住まいの方でペットを飼っている方には自信を持ってお薦めいたします。
 お隣には「となりのアリス」というペット同伴で入ることの出来るペットの洋服やアクセサリー・ペットフード、犬・猫モチーフのかわいい雑貨を扱っているお店もございます。まだ知る人ぞ知る存在なので、動物雑貨が好きな方は是非足を運んでみてください。見たことの無いレアなグッツが見つかるかも??・・です。

「アリスワンワンビューティー」さんのwebサイトはこちら
特にお薦めなのはアリスワンワンビューティーさんのブログです。この中で紹介されているトリミング後のペット写真が全部かわいく撮れていて、見ているだけで癒されます・・お時間のある時や癒されたい時に是非見てみてください。

 フライングキャットでは「アリスワンワンビューティー」さんのパンフレットやトリミングカード、「となりのアリス」さんのショップカード、「アリス動物病院」さんのパンフレットを担当させていただいております。

※厳密には下記写真の様なA4 巻三つ折は「リーフレット」と言いますが、一般的に広く認知されている「パンフレット」という言葉を使わせてもらいました。

アリスワンワンビューティー/ペットホテル/アリス動物病院

アリスさん「A4 3つ折りパンフレット」

限られた条件の中で

「パンフレットを作りたいけれども、自分でデジカメ撮影した写真しかない」← 良くあります!
写真の状態:ピントがあっていない/全体に暗い/余計なものが一緒に写っている/色を変更したい/補正したい箇所がある(汚れや見せたくないもの等)/ 結論から言うと・・それしか無いのであれば、それでやるしかないでしょう!

サンプル用にスマホ撮影した写真を用意し、求める結果を「ボールペンの名前を覚えてもらう」と仮定して、あまり出来の良くない写真を生かすデザインを考えてみました。限られた条件の中で、最善を尽くすのもデザイナーの役目です。良い写真がある場合には最大限写真を生かすデザインをしますが、そうでない場合は主役(商品)以外には手を加えて主役を引き立たせるのも一つの方法です。「こんな写真しかないけど、パンフレット作れますか?」なんて時にはフライングキャットにお任せください。

写真加工

シュレッダー

ここ数年社外秘情報や、大量の個人情報を扱う仕事が増えている為、シュレッダーの出番も増えて来ました。パンフレットやカタログ等の制作時にお預かりした情報・資料の内、返却の必要がなく制作終了後再利用しないものにつきましては、シュレッダーにかけて、専門業者に事業ゴミとして引き取ってもらっています。

現在弊社で使用しているシュレッダーはFellowes(フェローズ社)の450MCsというマシンです。
基本性能:細断サイズ 2×8mm / 最大細断枚数 8枚 / 連続使用時間 8分 / 容量 18リットル

幅 355 x 奥行 265 x 高さ580 mm

幅 355 x 奥行 265 x 高さ580 mm

細断サイズ:2×8mm

細断サイズ:2×8mm

「疑問」を「なるほど」に

hatena

相手の「疑問(未知)」を「なるほど(既知)」に変えるのもデザインの役目のひとつです。視点を変えたり、切り口を変える事で、分かりやすく「?を!」に。難しい説明や分かりづらい事を相手に伝えなければならない際には、是非フライングキャットにご相談ください。